温泉

宇奈月温泉について

源泉<うなづき友学館(黒部市歴史民俗資料館)「宇奈月温泉引湯のあゆみ」リーフレットより引用>

宇奈月温泉は、黒部峡谷の電源開発に伴い誕生し、その源泉は黒薙温泉にある。湯は、黒部川に臨む急斜面を約7kmにわたって引湯管によって引かれているのが特徴である。

江戸時代末期より黒薙温泉から引湯の計画はあったが、実際にこれに着手したのは、富山市の高沢藤吉等である。大正4年から資本金の調達を始め、愛本温泉(株)を設立した。黒薙温泉からの引湯管敷設工事は、1尺角の木樋を9km下流まで延ばす難工事で、工事を始めて完成まで3年を要した。

大正6年、内山村荷上りに愛本温泉が開湯され、同9年には愛本ホテルも建てられた。そのころから温泉の温度が下がり始め客足が次第に減っていった。大正10年の暴風被害等が重なり閉湯に至った。翌11年愛本温泉は、東洋アルミナム(株)が設立した黒部温泉(株)に売却された。更に大正13年には黒部鉄道(株)が黒部温泉(株)と合併し宇奈月温泉開発を手がけることになった。

宇奈月温泉が発展するには安定した温度の湯と量を確保することが必要だった。宇奈月温泉への引湯計画の基を作ったのが、東洋アルミナム(株)で電源開発の実務を担当した山田胖である。山田胖は保温に適した径4寸の木管を発案し、冬でも55℃位の湯が確保できると計算した。大正12年11月末に新しい引湯管敷設工事が完成し、黒薙から宇奈月に湯が通った。こうして宇奈月温泉が開湯した。

泉質<社団法人日本温泉協会「日本温泉協会80年記念誌」(2011年)より引用>

宇奈月温泉の源泉である黒薙温泉は、約90℃の自然湧出と、沸点に近い温度の掘削自噴の混合泉で毎分2,000Lの豊富な湯量が確保できる。泉質は無色透明で無味無臭のアルカリ性単純温泉で、疲労回復健康増進に効き目があり、最近では美肌効果に優れた温泉として人気が高まっている。湯量豊富な宇奈月温泉の駅前には温泉噴水が勢いよく上がり、湯のまちの象徴となっている。